赤と黒 1954年
Le Rouge et Le Noir 〈1954年フランス〉時間184min
撮影時期1954年3~6月 パリ公開1954年10月
監督:クロード・オータン・ララ
原作:スタンダール
脚色・台詞:ジャン・オーランシュ
ピエール・ボスト
撮影:ミシェル・ケルベ
美術:マックス・ドゥーイ
衣装:ロジーヌ・ドラマール
音楽:ルネ・クロエレック
出演
ジェラール・フィリップ(ジュリアン・ソレル)
ダニエル・ダリュー(ルイーズ:町長レナールの妻)
アントネラ・ルアルディ(マチルド:モール侯爵令嬢)
アントワーヌ・バルペトレ(ピラール神父:シェラン神父を信頼している)
アンドレ・ブリュノ(シェラン神父:ジュリアンに教養、ラテン語を教授)
◇ナポレオンが失脚し、束の間の王政復興時代。下層階級のジュリアン・ソレルは、やむなく僧侶の道で出世を目指す・・・。
◇オータン・ララ氏がジュリアンは“ジェラール・フィリップ”にと切に願って制作した作品。フランスの作家の作品をフランスで映画化は、趣を感じてしまう。
私の評価 ★★★★★★★★★★
(この作品、とっても好きなので★10としました。)
以下 感想・物語(ネタバレ注意)など
◇感想
ジェジェのジュリアンはすばらしい!情熱的で野心家を見事に演じ、魅力的。彼は本当に優雅に感じてしまう。作品中、彼のモノローグのナレーションが入るが、演技とモノローグがピッタリ!また、台詞もおもしろい。彼が31歳のときに撮影しているので、もし26・7歳の時だったらどうだったのだろう?と思うが、これほどの落ち着きと貫禄はでなかったかも・・・。もちろん、若さ故の無鉄砲さ!無邪気さなどしっかり演じています。(ジュリアンは若い設定であるが、才能豊かで、野心家というところで、実年齢よりずっ~と大人っぽく感じたほうがジュリアンらしいと思うのでした。まさにジェジェはジュリアン・ソレルでした!)
ダニエル・ダリュー: 彼女もジュリアンに惹かれていく夫人役を好演。気品があり優雅!
アントネラ・ルアディ: ダリューほどの貫禄はないが、プライドが高く才気がある淑女を好演している。
総じて、出演者の演技力の高さが伺えるのである。
また、〈格言〉が時折、作品中に入り、エッセンスとなっている風に感じる。
音楽について
前編・終盤は、ロマン派的音楽で、荘厳な感じの中にドラマチックな印象を感じる曲が使われ、パリが舞台となると、軽快に感じるバロック的音楽が使用されている。音楽も作品に良く合っている。
完成度が高く、フランスのエスプリを感じさせられた作品!
余談・・・ルイーズが告解師により手紙を書かせられるシーンで、その時の牧師を演じているのは?ひょっとして ジェジェではないか?と思い、何度も確認するのですが、確信できないままです!声質が似ているように感じたのでした。また、手を組んでいる様子、後ろ向きで頭をかしげるシーンなど何となくジェジェのような?気のせいでしょうか?・・・ジェジェなら演じられる!と、またそうなら、いっそう、この物語がおもしろく感じると思ったのでした。なぜなら、この告解師は司教に気に入られている野心家(ピラール神父曰く)という事ですから。
◇物語
《小説、それは道にそって持ち歩く鏡である》サン・レアル
法廷シーンから始まる。
ジュリアンは、家庭教師をしていたレナール家の夫人、ルイーズの殺人未遂事件の犯人として裁かれている。彼自身、自分の行為は死刑に値すると言っているが、この裁判の審判を下す人々は全て上流階級故、下層階級の自分が、上流階級の仲間入りを望んだことが許されないのでは?と事の真髄を衝くのだった。 そして回想となる・・・。
レナール家の家庭教師時
ジュリアンは、シェラン神父に連れられ、家庭教師としてレナール家にやって来る。ナポレオンを崇拝しているジュリアン!しかし、ナポレオンが失脚した今、彼が出世する道は、僧侶になることぐらいだった。
彼は自分に繰り返す。『威厳!威厳を持つこと!』レナール家を自分の為に利用しようと考えるのだった。
《人の心に触れる時、それを傷つけずには すまないのだ》スタンダール
レナール夫人ルイーズは、ジュリアンを一目見たときから、好意を持ってしまう。ジュリアンは、彼女に取り入ろうとするが本気ではなかった。しかし、彼女の美しさに改めて気づき、愛するようになる。ジュリアンとルイーズの関係が始まる・・・。 それも長くは続かない!メイドの嫉妬から、レナール家に密告状が届くようになり、ジュリアンは、神学校へ行く決心をする。 ルイーズは、もう彼に逢えないと思うと絶望するのだった。
《恋はラテン語でアモール そこで恋からモール(死)が生まれる。そして その前に 心のもだえ 憂いー わな 大それた罪 悔恨ー》恋の格言
神学校時
《言葉が人間に与えられたのは、自分の考えを隠すためである》マラグリダ神父
ジュリアンは、学長のピラール神父を支持し、信頼を得ようとする。そして半年が経ったころ、ピラール神父より、学校宛に届いているルイーズの手紙を見せられる。焼き捨てるよう言われ、一通づつストーブにくべるジュリアン!しかし、最後の一通のみ許される。その手紙を読み、ルイーズの愛情の深さに感じ入るジュリアンだった。
また、ピラール神父は、神学校の派閥争いに嫌気が差したのか?パリに行く決心をする。ジュリアンは、このまま学校に残ってもピラール神父を支持していたので自分は失脚すると考え、パリに一緒に連れて行ってもられるよう、お金を持っている事を伝える。
パリ、ラ・モール侯爵家の秘書時
ピラール神父はジュリアンにラ・モール侯爵の秘書の仕事を紹介する。その仕事をしながら、神父の勉強も続けるジュリアン。彼の才能は、侯爵に認められ、勲章までもらえるようになる。一方、侯爵の娘マチルドは、ジュリアンが気になる。プライドが高く才女であるマチルドは、何かに付けて、ジュリアンに突っかかるが、どんどん惹かれて行くのであった。
ジュリアンとマチルドの関係が始まる・・・。侯爵は二人の関係を知ると激怒するが、娘の対面を思い、ジュリアンに中尉の肩書きを与え結婚を許そうとするが・・・ジュリアンの身元の確認をするのであった。侯爵にルイーズからの手紙が届く。教会側がジュリアンの出世を阻止しようとむりやりルイーズに書かせた中傷の手紙だった。
出世が叶えられなくなったジュリアンは、ルイーズを尋ね、2発発砲する・・・が、致命傷ではなかった。
終結
ジュリアンの死刑判決を知るルイーズ!
彼女は、愕然とし、夫の忠告も聞かず、牢獄の愛するジュリアンを訪ねる。ジュリアンは、もう会えまいと思っていたルイーズに会い、初めて階級・身分などを考えず、本当の気持ちを伝えることが出来る歓びを感じるのだった・・・。
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コメント
来ましたね、この作品。私が見たのでは彼の作品でカラーはこれだけです。想像していたのと髪や目の色が違って違和感さえ感じたものでした。評価が高いのはダニエル・ダリュー。演技もうまいし、美人、上品、知的な雰囲気も見事に醸し出しています。髪もものすごく綺麗でした。もう一度原作を読み直してみたくなりました。文学作品は学ぶところが多く、いろいろ得した気分にもなれました。
投稿: 螢石 | 2006/01/15 17:00
ようやく、書きました~。思い入れが強すぎるとなかなか書けないものですね。ダニエル・ダリューは、43歳ぐらいだったようです!全く年齢など気にならないほど、美しかった!きっと、所作の美しさもあるのでしょうね。私も原作をと思いましたが、なかなか実行できません!いつか・・・きっと読もうと思います。
投稿: MORO | 2006/01/15 19:40